●『JPスティック』はカジキやマグロがよく釣れるトローリング用釣り竿及び漁法の総称です。●
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大物を釣りあげる様子
各船が工夫して竿を取り付けています。
 
JPスティックが誕生するまで・・・
ハワイの夕日
トローリングは、日本でもスポーツフィッシングのひとつとして、非常に良く知られた釣漁法です。それは漁師の世界で「ケンケン釣り」と呼ばれている漁法から発達したものです。
100年ほど前に移民先のハワイから帰国した人が、疑似餌(ルアー)と潜行板(バード)を用いた独特な曳縄漁法を持ち帰ったのがきっかけで、竹竿と組み合わせることにより、「トローリングといえばケンケン」とまで言われるような全国的発展を遂げ、今日に至っています。
「ケンケン」という言葉はハワイの古い言語をルーツにしていると言われているのもこのような関わりがあったからです。
 
このケンケン漁法の進化の過程で、ジャンボ漁法(通称)というものが生まれ、マグロが良く釣れる画期的な
漁師によるジャンボ漁法
漁法として注目されました。この漁法の特徴は立竿を使用することであり、
これが、船の両サイドから張り出した横竿を使用するケンケン漁法との大きな違いです。この長い立竿を使った漁法を、漁師達の間では総称してジャンボ漁法と呼んでいます。
この漁法は、かつて長くて丈夫な「孟宗竹」という竹を使用していました。
しかし素材が天然の竹であるため、折れたり曲がり癖がついたりして大変使いづらいという欠点があったので、高価なマグロが非常に良く釣れる漁法であるにも関わらず、漁師の仲間でも一部の人たちがマグロ・カジキのシーズンに特化して使うという程度のものでした。


日本では、1971年(昭和46年)にプロ漁師を対象にした本格的なグラスファイバー(GFRP)製釣竿が、
現ホーペック社長である濱口幸生によって、初めて開発されました。新素材によるFRP製のジャンボ竿は
スポーツフィッシングとして
安定感と信頼感があり、強度と弾力性を応用した本格的なジャンボ漁法へと急速に発展することになったのです。この漁法はマグロの索餌行動や闘争本能などを利用し、疑似餌(ルアー)の使用で非常に効率よくマグロやカジキ等を釣ることができます。従来のケンケン漁法と比べて、一般に10倍以上の漁獲効率があるといわれています。
そのために、この常識をやぶる画期的なジャンボ漁法は数年間で日本全国の漁師達に拡がり、今日ではコマーシャルスタイルとして、既にたくさんの竿がハワイまで輸出されるような容貌を見せています。
 
ジャンボ漁法は、長い立竿の先端と、海面上の抵抗板とを結ぶ長いメインラインに数本の枝糸を取り付け、ぶら下げたルアーを海面すれすれにジャンプさせたりする漁法で、あたかもトビウオが飛んだり、小魚が逃げたりしているような錯覚を起こさせることで、鮪やカジキの食いつきが非常に良くなる特徴を持っています。
面倒な漁師スタイルの仕掛け例
この漁法は、当初はメインラインと枝糸(数本)とが一体化された状態で使用されていたのですが、現在では機械化による省力化のために、枝糸だけをメインラインから分離し、スナップを利用した「取り外し方式」に変更する漁師が増えています。しかし、スナップを使う(フックを掛ける)場合、メインラインにすべり防止や離脱防止用の結び目を設けるなど、独特のセッティングをする必要があります。漁師達が機械を使ってラインを巻き取る場合は、ほとんどこの方式を採用していますが、基本的には漁師専用のスタイルであることに変わりはなく、レジャー向きではありませんでした。
漁師の匠の技は一般には不向き

また、ジャンボ漁法で使用する長い立竿や、
長いメインライン、大きな抵抗板、4・5本の枝糸(ブランチ+ルアー)、そして操業の安全性を左右する綿糸ブレーカー等々、これらひとつひとつが漁師独特の漁具であり、一般のアングラーにとってはなかなか馴染めるものではありませんでした。
これが漁獲効果が非常に良くても、ジャンボ漁法がレジャー(スポーツフィッシング)として人々に普及しなかった要因のひとつであります。
さらには、これらの漁具は漁師達の独自のノウハウがあり、決して他人には教えたりしなかったのも、この漁法をプロの漁師の世界だけに閉じ込めてきた大きな理由です。
 
我々はジャンボ漁法の歴史から、ハードとソフトの両面において様々な教訓を学びました。そしてこの漁法のどこに問題があり、それをどうすべきかを検討しました。
その結果、新しいテクノロジーによって一般の人々でも簡単に使えるシステムを開発しました。
私たちはこれを『JPスティック漁法』と名づけました。このJPスティック漁法によってトローリングを楽しむアングラーなら誰もが持っているロッドとリールで、プロ漁師と同じような釣りを楽しめるようになったのです。
JPスティック漁法とは
JPスティック漁法はその名の通り、JPスティック(立竿)から、タグライン及びメインラインを引っ張っています。この状態で魚の喰いを待ち、肴が喰ったらタグラインとメインラインを結ぶブレーカーが引張力によって切れ、ジャンボスティックとは完全に切り離されます。あとは手元のロッドから魚を釣り揚げる醍醐味を味わうことができます。このライン切り替わり方式によってプロ漁師並みの釣果と、スポーツフィッシングとしての楽しみをあわせ持った漁法といえます。
またアクションラインを使い、ルアーに対してより絶妙なアクションを与えることもでき、魚が喰うまでの間も、ただ待ってるだけでなく周りの人も積極的に釣りに参加できるという特長を持っています。さらに、ルアーは水面よりやや上に出てるあたり(表層付近)にあるため、魚が喰う瞬間や寄ってくる様子を見ることが容易で、それもまたこの漁法を面白いものにしています。
 
JPスティック漁法の簡単なシステム図及び各部名称
JPスティック漁法のセッティングや手順についての詳細はコチラをご覧ください。
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